旗竿地とは竿に旗がついたような土地のことをいいます。旗竿地の購入を検討していると、土地の形が形だけに購入を迷う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、旗竿地とはどんな土地なのか、購入するメリット、デメリットなどを解説します。旗竿地は他の土地にはない魅力もありますので、最後までご覧下さい。
旗竿地とは?
冒頭でもお伝えした通り、旗竿地とは、上の図の黄色い部分の土地のことをいいます。
竿に旗がついたような土地の形状から、旗竿地といわれており、路地状敷地ともいわれています。
旗竿地はなぜできる?
なぜ旗竿地のような形の土地ができるのでしょうか。
旗竿地は土地の分割によってできます。
例えば、80坪の土地があるとします。この土地を売却したい場合、買い手を探すのは難しいといえます。なぜなら、このような広い土地を購入するには、かなりの資金が必要になるからです。
このまま買い手を探すより、土地を分割して小さくしたほうが売れやすいのです。
上の図で、①のように分割すると、土地Aは道路に接していないため、家を建築することができません。(建築基準法の規定)
また、②のように分割すると、土地が細長くなってしまいます。さらに民法の規定により、建物は境界から50cm以上離して建築しなければならず、家も細長くなってしまいます。工夫次第ではありますが、使い勝手の悪い土地になってしまいます。
そこで旗竿地のように分割することで、これらの問題を解消することができるのです。
土地購入に関してはこちらも参考にして下さい。
旗竿地のメリット
次に旗竿地を購入するメリットをみていきましょう。
価格が安い
旗竿地は好立地であっても相場より15%~30%ほど安く購入できます。
なぜ安いのかというと、土地の形状が関係しています。
土地は整形地のほうが、土地評価が高く、価格も高くなります。
それに対し、旗竿地などの不整形地は評価が低く、価格も安くなります。土地を安く購入できれば、その分を家の建築費用にあてることもできますね。
税金が安い
先ほどお伝えした通り、旗竿地は不整形地で資産価値が低いため、価格が安いのが特徴です。それに、固定資産税や不動産取得税、都市計画税も安くなります。土地が安く、税金が安いことから、あえて旗竿地を購入する人もいるようです。
大きな家を建築できる
建築基準法では、そのエリアごとに建ぺい率、容積率が定められています。
建ぺい率とは、土地の面積に対する建物の面積の割合のことで、容積率とは、土地の面積に対する建物の延べ面積の割合のことです。
建ぺい率や容積率の数値が高い地域ほど、大きな家を建てることができます。
旗竿地は、竿の部分(路地状部分)も土地面積に算入されるため、同じ地域で、同じような土地の面積でも大きな家を建てることが可能です。
静かで安全
旗竿地は、道路から家が離れているため静かです。また、小さい子どもがいる場合、急に家から飛び出しても安心ですね。
アプローチをおしゃれに
旗竿地の形状を活かして家までのアプローチを工夫する人もいます。例えば、おしゃれな照明をつけたり、花壇を設置したりします。
旗竿地のデメリット
続いて旗竿地のデメリットの解説をします。
建築費が高くなる場合も
建築費が高くなる場合があります。旗竿地は細い通路の奥に家を建てることになるため、建築工事の際に重機が入れない可能性があります。そのため人手が必要になったり、作業量が増えてしまったりするからです。
また、分割して間もない土地では、電線や水道管が引き込まれていない可能性があり、追加工事費用がかかってしまう場合があります。
車の乗り降りに支障
車の乗り降りに支障がある場合があります。旗竿地で車を駐車する際、たいていは竿の部分に駐車することになるかと思います。普通車の標準的な車幅は1.9mですので、ドアの開閉も考えると、幅は3m以上でないと、せまいと感じるかもしれません。
防犯面が心配
先ほど、家が道路から離れているため静かで安全と述べました。しかし、人目につかない分、防犯面が気になるところです。しっかりとした防犯対策が必要ですね。
建て替えができない可能性も
旗竿地は建築不可または、再建築不可物件に該当する可能性があります。
再建築不可物件とは現在、家が建っていても、取り壊して新たに家を建てられない、すなわち建て替えができない物件のことです。再建築不可物件についてはこちらをご覧下さい。
https://fudosan-kiso.cyou/437/
建築基準法では、4m以上の道路に2m以上接していないと、家を建築ができないという規定があり、これを接道義務といいます。この接道義務を満たしていない家(建築基準法施行以前に建てられた)が再建築不可物件に該当します。
旗竿地は、間口が狭いのが特徴で、接道義務を満たしていない土地もあります。建て替えができない場合や更地であっても建築ができない可能性があるので確認が必要です。
では、建築基準法上の接道義務を満たしていれば、すべて建築、再建築が可能かといえば、そうではありません。例として2つ紹介します。
条例による規制にも注意
自治体によって、建築を規制する条例が定められている場合があります。
例えば、東京都建築安全条例では、旗竿地の場合、竿の部分が20mを超える場合は、道路に3m以上接していないと建築ができないと規定されています。よって、建築基準法の接道義務を満たしている土地であっても建築、再建築はできません。
竿部分の途中が狭い
たとえ、道路に2m以上接していても、途中で狭くなっている旗竿地もあります。この場合も建築、再建築はできません。間口が2m以上あったとしても、途中で狭くなっていると緊急車両が通行できず、安全上問題があるからです。
まとめ
旗竿地とは、竿に旗をつけたような形の土地のこと。
旗竿地ができる理由として、広い土地を分割した場合などにできる。
旗竿地のメリット
- 価格が安い
- 税金が安い
- 大きな家を建てることができる
- 静かで安全
旗竿地のデメリット
- 建築費が高くなりがち
- 車の乗り降りに注意
- 防犯面が心配
- 建て替えができない可能性も
旗竿地の特徴を知り、自分のライフスタイルに合わせて購入を検討してみるといいですね。
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