中古住宅の購入は、食品や雑貨を購入するのと違い、高額な買い物であるし、分からない事も多く、不安というのも無理はありません。
この記事では中古住宅購入の際の注意点について解説します。この記事を読むことによって、中古住宅の特徴や購入の際、どんな事に注意したらいいのかを知ることができ、購入の参考になるかと思います。
中古住宅って何?
中古住宅とは、どういった住宅のことをいうのでしょうか。
その前に、新築住宅について解説します。新築住宅とは、
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- 新築後1年未満で
- まだ誰も住んだことがない住宅
のことをいいます。
中古住宅はこれ以外ということになります。
例えば、新築後1年未満の住宅でも、一度でも人が住んだことがある住宅は新築住宅ではなく、中古住宅となります。新築住宅の引き渡しをうけて、住み始めた瞬間、中古とみなされてしまいます。新築であるのは一瞬なのです。さらに、建物の価値は約20%減少するといわれています。
また新築後、誰も住んだことがない住宅でも、1年を経過していれば新築住宅ではなく、中古住宅となります。
中古住宅購入の流れについてはこちらをご覧ください。
中古住宅購入の注意点
ここから本題です。中古住宅を購入する際の注意点を解説します。注意点は、次の通りです。
- 耐震性
- 建物の状態
- 立地
- 築年数
それぞれ詳しく解説します。
耐震性
昨今、大きな地震が頻繁に起こるようになり、自分の家は倒壊しないか不安になる人も少なくなりません。新築住宅は耐震に関して、ほぼ安心といえます。しかし、中古住宅の購入では耐震が心配という声もあります。
昭和56年(1981年)5月以前?以降?
1981年、建築基準法が改正され、耐震基準が見直されました。耐震基準とは、地震に対する建物の耐久性の基準を表したものです。昭和56年(1981年)5月31日以前は旧耐震基準、6月1日以降は新耐震基準といいます。この新耐震基準で建てられた住宅は、震度7の大地震が起きても倒壊しないことが前提となりました。
よって、建築されたのが1981年5月以前か以降かによって耐震性が大きく異なります。
耐震性は外観で判断できる?
耐震性を外観で判断できる場合もあります。
住宅の形
まずは住宅の形です。住宅の形が正方形に近いほど、耐震性は高くなります。それに対し、細長い長方形型やコの字型の家は正方形型に比べると耐震性が低くなります。
瓦屋根は耐震性の問題あり?
瓦屋根は重いため、耐震性が低いと言われています。
瓦屋根は風情があって、人気です。しかし、耐震性を重視するならおすすめはできません。なぜなら、1平方メートルあたり60kgあり、かなり重く、地震がきた際に大きく揺れてしまうからです。
窓の位置
窓も耐震性に影響を及ぼします。大きい窓は耐震性が低いと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。問題は窓の位置です。家の角から90cm以内に窓がある場合は耐震性に問題があります。
建物の状態
建物がどんな状態なのかも重要ですね。よく言われている自分でもできるチェック方法として以下のようなものがあります。
- 外壁や基礎などにひび割れがないか
- 建物に傾きがないか
- 天井にシミのようなものがないか
- シロアリの被害はなさそうか?
外壁や基礎などにひび割れがないか
外壁はモルタルの場合はひび割れをチェックしましょう。ひび割れは、ヘアークラックと呼ばれる0.3mm未満の小さなひび割れは、とりあえず安心です。しかし0.3mm以上のひび割れや構造クラックと呼ばれるひび割れは、住宅の躯体に影響がある可能性があるため注意が必要です。
また、基礎も同様で、大きなひび割れは耐震性にも影響を及ぼしかねないため、業者にみてもらうのが賢明でしょう。
建物に傾きがないか
古い建物が傾いているという話はよく耳にします。床にビー玉をおいてみてコロコロと転がるようなら要注意です。傾きが一定以上越えると、めまいや頭痛、倦怠感、睡眠障害などが現れる場合があります。
天井にシミのようなものがないか
天井にシミのようなものがあれば、雨漏りの可能性があります。雨漏りは放置すると、カビが発生し家の腐食がすすみ、寿命を縮めてしまいます。
シロアリ被害はなさそうか?
木造の建物はシロアリの被害が心配です。シロアリ被害があると建物の寿命を縮めてしまいますし、被害が拡大すると最悪の場合、建物が倒壊してしまう可能性があるからです。
次にシロアリ被害の可能性があるケ一スを列挙します。
- 窓の結露
- 壁紙のカビ
- 基礎の高さが低い
- 床の沈み、音鳴りがする
- 建物全体湿度が高く、ジメジメしている
- アリや羽アリが近くにいないか
これらに該当する場合でも必ずしもシロアリ被害とは限りませんが、木造住宅でこのような現象を見つけたら、専門家による調査を検討し、リスクを考えるなら購入を見送ることをおすすめします。
ホームインスペクションを行う
これまで自分でできる確認方法をご紹介してきましたが、建築知識がない人には簡単にできるものではありません。
そこで、おすすめなのが、ホームインスペクションです。
ホームインスペクションとは、ホームインスペクターという住宅診断の専門家が第三者的立場から住宅を診断します。建物の劣化の状況を診断し、改修すべき個所があれば、その費用や時期を判断しアドバイスを行います。
立地
立地も大事です。たとえ素敵な中古住宅を見つけても、学校や職場が遠いと、通勤や通学が大変ですね。
また、周辺に火葬場や墓地などの嫌悪施設がないか、騒音が気になる人であれば、幼稚園や小学校が近くにないか確認しましょう。
その他、車は何台駐車できるか、日当たりはどうかなど、自分が居住した時を想像しながら、調査してみるといいでしょう。
築年数
既に述べたように、築20年を超えた建物は価値がないと判断されます。しかし、20年経ったからといって、住むことができないというわけではありません。
いずれ建て替えするのか、このまま、ずっと住む予定なのか、家族構成等も考慮して計画的に購入したいところです。
その他、不動産会社に調査義務がある項目もあります、詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
中古住宅購入の際の4つの注意点について解説してきました。
すべて不動産会社におまかせという人もいるかと思いますが、必ずしもいい不動産会社に出会えるとは限りません。
最初で最後の高い買い物となる場合もあるので、ある程度の知識を備えておくと、安心かと思います。その際は、この記事を参考にしていただけたら幸いです。
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