中古住宅の購入は、多くの人にとって人生最大の買い物になるのではないでしょうか。高い買い物なのに不動産については知識がなく、心配になる人も多いでしょう。
この記事では、中古住宅を購入する際の流れを解説をします。流れをつかむことによって、中古住宅購入をより身近に感じることができ、安全でスムーズな取引ができますので、最後までご覧下さい。
中古住宅購入の一連の流れ
はじめに、中古住宅購入のざっくりとした流れです。
- 希望条件をまとめる
- 物件を探してみる
- 問い合わせ、内見
- 購入の申込みをする
- 住宅診断(ホームインスペクション)を利用する
- 住宅ローン 仮審査
- 重要事項説明
- 売買契約
- 手付金の交付
- 住宅ローン融資 申込み
- 引き渡し
- 所有権移転登記
- 引越し、入居
家を購入するというのは、大きなお金が動きますし、大事な権利の移転もあります。上の流れを見ていただかけたら分かる通り、やることがたくさんあり、忙しく大変な時期でもあります。
しかし、念願のマイホームのために楽しみながら準備や行動できたらいいかもしれませんね。
賃貸物件を借りる際の流れについてはこちらをご覧ください。
https://fudosan-kiso.cyou/10/
中古住宅購入の具体的な流れを解説
次に具体的に流れを解説していきます。
中古住宅について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
希望条件をまとめておく
まずは、どんな条件で物件探しをするのか、まとめておきましょう。ただ漠然と物件探しをするより効率がいいはずです。エリア、間取り、予算など家族がいるなら、みんなで話し合ったほうがいいですね。
物件を探してみる
次に、希望条件を元に物件を探してみます。探し方はいろいろあります。今はネットが中心で、中でもSUUMO、LIFULL、HOME’S、アットホームなど不動産ポータルサイトがあります。
問い合わせ、内覧
気に入った物件が見つかったら、不動産会社に問い合わせをし、疑問点があれば遠慮なく聞いてみましょう。
そして、内覧へとすすみます。内覧時も遠慮なくどんどん質問しましょう。その際、不動産会社がどんな対応をしてくれるのか知ることができますね。不動産会社選びも重要です。
不動産会社についてはこちらをご覧ください。
購入の申込みをする
内覧をして購入の意思が固まったら、いよいよ購入の申込みをします。その際、「不動産購入申込書」に記入する場合があります。不動産会社によって、呼び名や様式は違いますが、売り主に「書面で購入の意思を伝える」ためのものと考えていいでしょう。
住宅診断(ホームインスペクション)を利用する
中古住宅を購入する場合、心配なのが建物の状態です。購入してから欠陥が見つかったなんてことは避けたいですね。しかし、知識のない人が建物の劣化状況を把握するのは困難です。そこで、購入の前にホームインスペクションをすることができます。
ホームインスペクションとは、住宅診断士や建築士などが、第三者的立場から住宅を調査し、欠陥や劣化などがないか、ある場合は補修する時期、費用などを診断することです。プロにみてもらえれば安心ですね。
ホームインスペクションの実施は任意ですが、中古住宅購入の場合はおすすめします。中古住宅の場合、購入してから欠陥が見つかったという事例も多いからです。検査料は3〜7万円程度かかりますが、購入後のリスクを考えると安いものですね。
住宅ローン 仮審査
住宅の購入を検討していると、不動産会社に仮審査(事前審査)をすすめられる場合があります。
仮審査とは、本審査の前に行われる簡易的な審査です。本人確認や収入などを審査されます。
通常、住宅ローンの本審査は売買契約の後に行われます。もし、本審査に通らなかったら、契約が解除され、トラブルに発展する場合も少なくありません。そこで、仮の審査が行われるのです。
金融機関はさまざまで、次のようなものがあります。
- 都市銀行
- 地方銀行
- ネット銀行
- 信託銀行
- 労働金庫
- ゆうちょ銀行
融資をうけられるかどうかはこの金融機関の選択で決まると言っても過言ではありません。ある金融機関では審査が通らず、ある金融機関では審査が通ったなんて事はよくあります。
重要事項の説明
重要事項の説明とは、取引の対象となる不動産について重要な項目を、不動産会社(宅地建物取引士)が買主に対して説明をすることです。
この重要事項の説明で問題となるが説明の時期です。
重要事項の説明の目的は、その不動産の正確な情報をしっかり理解してもらい、購入するかしないか判断してもらうことです。
実際の不動産取引では、契約と同時に行われることが多いのが現状です。これだと、正確な情報を把握できませんね。
買主側の対応としては、ある程度購入の意思が固まったら、早めに重要事項の説明をしてもらうか、重要事項の説明書のコピーをもらうなどの方法があります。
重要事項の説明についてはこちらをご覧ください。
売買契約
重要事項の説明がおわったら、いよいよ不動産売買契約を交わします。
通常、売買契約は、買主の「買います」、売主の「売ります」という意思表示だけで成立します。しかし、不動産などの高価なものは、売買契約書に署名、押印をしてはじめて契約が成立します。
手付金の交付
手付金とは、不動産売買契約時に買い主が支払う金銭です。契約の証拠としての意味合いや契約解除の際の担保の目的もあります。売買契約成立後に「やっぱりやめた」といったことがあると、相手方や不動産会社に迷惑や損害をあたえてしまいます。そのようなことがないように手付金が支払われるのです。
買主は手付金を放棄し、売主は手付金の倍の額を償還することにより契約を解除することができます。もっとも、どちらかが契約の履行に着手している場合は手付金による契約の解除はできません。
手付金の額は5%~20%が一般的で、不動産会社が売り主の場合は20%が上限と決められています。
住宅ローン融資 申込み
そして、住宅ローン仮審査、売買契約が済んだら、本審査の申込みをします。本人確認書類、収入を証明するもの、住民票や印鑑証明書も必要になります。
仮審査に通ったからといっても、まだ安心できません。この間に車のローンを組んだり、借金をしたりすると、すぐに知られてしまうので注意しましょう。
引き渡し
無事に本審査に通ると、金融機関と金銭消費貸借契約をします。お金を借ります、貸しますという契約です。また、抵当権の設定登記もします。
抵当権についてはこちらをご覧下さい。
そして、引き渡し、残代金の支払いが行われます。多くの場合、金融機関で行われます。メンバーは、売主、買主、不動産会社の担当者、金融機関の担当者、司法書士です。その他、利害関係がある人もきます。例えば、売り主が借金をしていて、その不動産に抵当権を設定している場合、その抵当権者などです。
所有権移転登記
引渡し、残代金の決済が終わっても登記名義はまだ売主にあります。不動産の売買が行われると、所有権移転登記をします。所有権移転登記は法律上必ずしなければならないものではありませんし、しなくても罰せられるわけでもありません。
では、なぜ所有権移転登記をするのでしょうか。それは第三者に対抗するためです。
例えばAがBに不動産を売却する契約をしたあとに、登記をしていないCが「これは私の不動産です」と名乗り出てきた場合、BとCはどちらが不動産を取得することができるのでしょうか。
答えは、先に登記をしたほうです。
このように、登記は義務ではありませんが、第三者への対抗手段なのです。
引越し、入居
そして、売買契約、住宅ローン審査、引き渡し、所有権移転登記が済むと、いよいよ入居となります。長い道のりでしたね。
まとめ
これまで、住宅を購入する際の一連の流れの解説をしてきました。
繰り返しになりますが、次のようになります。
- 希望条件をまとめる
- 物件を探してみる
- 問い合わせ、内見
- 購入の申込みをする
- 住宅診断(ホームインスペクション)を利用する
- 住宅ローン 仮審査
- 重要事項説明
- 売買契約
- 手付金の交付
- 住宅ローン融資 申込み
- 引き渡し
- 所有権移転登記
- 引越し、入居
住宅の購入は不動産会社に任せっきりという人もいるかもしれません。しかし、自らもこういった知識を持っていると、得をすることはあっても損はしないはずですね。
コメント