任意売却と競売の違いは?それぞれの特徴を詳しく解説!

売買

ローンを組んで土地や建物を購入すると、返済期間は15年~30年は当たり前です。すると、なんらかの理由で返済が困難になってしまう人もいます。そんなときの対処法として任意売却があります。さらに返済が滞ると、最終的に競売にかけられてしまいます。

この記事では任意売却と競売の違い、それぞれ特徴などを詳しく解説します。

返済が困難になったら

不動産を購入する場合、よほどのお金持ちでない限り住宅ローンを組みます。住宅ローンを組むということは抵当権が設定されます。

抵当権についてはこの記事をご覧ください。

抵当権とは、住宅ローンの返済ができなくなったとき、金融機関が不動産を競売にかけて、その売却代金から優先して弁済を受けることができる権利です。

住宅ローンの返済が困難になったら、金融機関に相談するのが先決です。一番悪いケ一スは、相談せずに返済しないことです。まずは通常の売買ができるか不動産会社に相談し、通常の売買ができない場合は任意売却ができるか検討します。

自宅を売却しローンの残債がなくなれば普通の売買でもいいのですが、売却してもローン残債がある場合に任意売却が行われます。

ところが、この任意売却をできないケ一スがあるのです。任意売却をするには一定の条件があります。金融機関の同意や連帯保証人の同意などがあります。これらの条件をみたすことができないと、任意売却はできません。  

任意売却ができず、さらに返済が滞ってしまうと最終的に競売にかけられてしまうのです。

任意売却と競売の違いは?

任意売却と競売の決定的な違いは、任意売却が自ら行動を起こす事に対し、競売は相手方(債権者)が行動を起こす事です。

任意売却

任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった時、ローンを組んでいる金融機関などの同意を得て、不動産会社に依頼し売却することです。売却方法は通常の売却と変わりありません。その特徴は以下の通りです。

  • 売却価格が通常の売却と変わらない
  • 近所の人に知られることはない
  • 売却代金の一部を引越し費用に充当できる
  • 退去の時期に余裕がある
  • 売却してローンが残った状態でも、抵当権を抹消できる

それぞれ詳しく解説します。

売却価格が通常の売却とほぼ変わらない

通常の売却とほぼ変わらない流れで売却が行われます。よって、市場価格に近い価格で売却することができます。売却価格が高いと、債権者(金融機関や保証会社)も安心できますね。

近所の人に事情を知られることはない

競売と違い、情報が公開されるわけではないので、近所の人に事情を知られることはありません。

売却代金の一部を引越し費用に充当できる

競売と違い、売却代金の一部を引越し費用に充ててもらうことも可能です。毎月の返済が困難なのに、引っ越し費用の準備は難しいものがありますね。

退去の時期に余裕がある

売却に関して自分の意見も尊重されます。競売の場合は自分の意見はほとんど聞いてもらえません。競売の手続きが完了すると、強制的に退去させられてしまいます。任意売却の場合は退去の時期を考慮してもらうことができます。

売却してローンが残った状態でも、抵当権を抹消できる

任意売却してもローン残債がある場合があります。例えば、売却価格が1800万円、ローン残債が2500万円だとすると、700万円の残債があります。通常の売却であればローンを完済しなければ抵当権は抹消されません。しかし、任意売却の場合はたとえローンの残債があったとしても抵当権を抹消してもらうことができます。

競売

競売とは冒頭で述べたように、住宅ロ一ンの返済が滞った場合、金融機関の申し立てにより、裁判所が価格を決めないで売りに出すことです。競売の特徴は以下の通りです。

  • 売却価格が安い
  • 近所の人に知られる
  • 引越し費用などがかかる
  • 物件を買う人は内覧ができない

それぞれ詳しく解説します。

売却価格が安い

市場価格(通常の不動産売買の価格)の50%~70%となります。すると残債(ローンの残った債務)の問題も出てきます。遅延損害金も加算されるので、返済はかなり厳しくなり、最後には自己破産をする人もいます。

近所の人に知られる

競売の申し立てが行われると裁判所は、その不動産の調査をするため訪問したり、競売物件情報を公開したりします。そのため、近所の人に知られてしまう可能性があります。

引越し費用などがかかる

競売が実行されると、新居を探すことになります。すると引越し費用など諸費用も考慮しなければなりません。

物件を買う人は内覧ができない

これは競売物件を買う人側の話になりますが、購入者は、どんな物件か資料で確認はできますが、実際に家の中を見ることはできません。購入してから思わぬ不具合が見つかることもあります。
市場価格より安く購入できるものの、こういったデメリットもあります。

このように、任意売却と競売を比べた場合、任意売却の方がさまざまなメリットがあることは言うまでもありません。

まとめ

これまで任意売却と競売について解説してきました。

任意売却

  • 売却価格が通常の売却と変わらない
  • 近所の人に知られることはない
  • 売却代金の一部を引越し費用に充当できる
  • 退去の時期に余裕がある
  • 売却してローンが残った状態でも、抵当権を抹消できる

競売

  • 売却価格が安い
  • 近所の人に知られる
  • 引越し費用などがかかる
  • 物件を買う人は内覧ができない

冒頭でもお伝えした通り、住宅ロ一ンの返済が困難になったら、まずは金融機関に相談し、売却を考えるなら、通常の売買、そして任意売却を検討しましょう。競売は、なるべく避けたいですね。

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